髪の毛のメカニズムとは?

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髪が生えるメカニズム

なぜ薄毛になるのか?髪の毛が抜けるのか?

 

その問題をより理解するために髪がどうして生えるのかについても理解するべき!

髪は人間の皮膚が変化してできたものであり、皮膚の外に出ている「毛幹」と、下に隠れている「毛根」とに大別されます。

髪の毛が生えるメカニズムは、この「毛根」部分の根っこにあたる「毛母細胞」へ、血流によって多くの栄養成分や酸素と共にホルモンなどの成長因子が運ばれ、毛母細胞から何らかの成長促進因子を産出。細胞分裂を促すことで「毛包」に新しい毛が作られ、頭皮の外に押し出されて髪の毛が伸びていくのです。

髪の毛がすくすくと元気に成長している時には、外からは見えない頭皮の下に隠れた毛母細胞が、きわめて活発に細胞分裂を繰り返していることになるのです。

 

薄毛はヘアサイクル(毛周期)の異常が原因!
どんなに健康な髪の毛にも寿命があります。ある一定の期間伸びた髪は自然に抜け落ち、新しい髪に生え変ります。この周期を「ヘアサイクル(毛周期)」と呼んでいます。

髪の毛は、まず一つの毛穴からうぶ毛のような細く短い毛が生え、太く、長く成長します。1日平均0.3ミリのペースで伸び続けるこの期間を「成長期」と呼び、一般に男性が2~5年、女性は少し長くて5~6年の間続きます。

この毛髪がもっとも活発に伸びる時期を経て、毛根が退化する「退行期」となり、2、3週間後には成長が完全にストップする「休止期」に入り、自然に髪は抜け落ちます。正常な毛髪サイクルであれば、脱毛した後は2、3カ月を経て再び同じ毛穴から発毛し、同じサイクルをたどることになりますが、何らかの原因で毛髪の成長を抑制する因子が作用し、ヘアサイクルの回転がストップすると、薄毛や抜け毛が生じることになってしまいます。


人が髪の毛を備える理由は?
薄毛対策の意義を理解するために、頭髪の生体的な機能について考えてみたいと思います。

1、「日よけ」

太陽から降り注ぐ紫外線から頭皮を守る機能があげられます。ご承知の通り、紫外線による過度な日焼けは皮膚ガンを引き起こします。木から降り、二足歩行をした猿人がヒトへと進化する過程で、体毛が薄くなる一方で頭髪はより多く蓄えるようになったのも、この紫外線から命を守る自然の摂理の結果だと言えるでしょう。

また、頭髪は有害物質を体外に排出する経路としての機能もあります。とくに重金属については、頭髪と爪からその大部分が排出されていると考えられています。

 

2、「緩衝材」として

頭部を外的な衝撃やケガから守る「緩衝材」としての機能も人が髪の毛を持った生物的要因。

 

 


抜け毛のタイプで分けてみると
成人男性の10人に1人以上が発症すると言われる男性型脱毛症。では、その薄毛や抜け毛は頭のどの部分に、どんなスタイルで現れるのか?


日本人に多い「M型」
額の生え際が、中心部分を残し、アルファベットのMの字を描くように薄毛・抜け毛が進行していくタイプ。日本人にもっとも多い男性型脱毛症の典型的な症状であり、原因物質である男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」の影響が、前頭部にもっとも強く出現するためであると言われています。頭皮に直接塗るタイプや、血行促進を効能とする育毛剤・養毛剤による薄毛対策の効果は低く、加齢を原因として頭部を含めた全身の体毛が薄くなる老人性脱毛症を併発する場合があります。


白人や女性の主流は「O型」
髪の毛の渦巻きがある頭頂部を中心に、丸くO字型に髪が薄くなっていくタイプのこと。原因は特定されていませんが、何らかの体内的な変化によって血行不良が発生。毛母細胞の活動が不活発になり、薄毛が進行するとされています。一般的に東洋人よりも白人男性に多く見られます。また、女性男性型脱毛症、妊娠や分娩中、更年期に起こる女性ホルモンの変化に起因する脱毛、老化によって生じる脱毛など、女性に起こる「薄毛・脱毛症」がこのO型です。


体質によって発症する薄毛や抜け毛
病気で髪の毛が抜けるのではなく、親から子へ受け継がれていく遺伝や性差など、体質によって発症する薄毛や抜け毛を「体質的脱毛症」と呼び、大きく次の二つのタイプに分類されています。なお、これらはあくまで体質を示すものであり、病気を示す「症」という文字がついても決して病的な状態ではありません。

 

男性型脱毛症(Androgenetic Alopecia:AGA/エージーエー)
思春期以降の男性に起こる脱毛症。症状としては額の生え際や頭頂部の髪のどちらか、または両方が薄くなり、年齢を重ねるとともに抜け毛が進行します。原因は、男性ホルモン「テストステロン」が、皮脂腺で作られる5α還元酵素「リダクターゼ」の反応よって、「ジヒドロテストステロン(DHT)」に転換。

毛乳頭や毛母細胞に悪影響を及ぼし、髪の毛の成長を抑制するのです。この「ジヒドロテストステロン(DHT)」に敏感な体質や性質が親から子へと遺伝して、いわゆる「ハゲやすい家系」ができるわけです。男性の10人に一人の割合で発症すると言われ、早い人では思春期がはじまる10代前半に発症するケースもありますが、多くは20歳代に発症。30歳~40歳代にかけて「男性脱毛症」独特の薄毛が目立ってきます。

 

女子男性型脱毛症(Female Androgenetic Alopecia:FAGA)
男性型脱毛症のように頭頂部や額の生え際に限らず、頭部全体に薄毛や脱毛が起こる症状が特徴です。男性型脱毛症と同じ「ジヒドロテストステロン(DHT)」の影響によって生じ、一般的な主婦よりも企業や社会で活躍するキャリアウーマンの間に多くなりつつあります。ライフスタイルや価値観の男性化が、男性ホルモンの増加などを引き起こしているのかもしれません。

また、女性の脱毛症には、そのほかに、女性らしさを形成する女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量の増減によるものがあります。「産後(分娩後)・妊娠中の脱毛」や「更年期脱毛」を引き起こしますが、多くは産後の時間の経過によってホルモンバランスが元に戻り、薄毛も解消されます。そして、加齢による老化を原因にする脱毛症。抜け毛が増えるというよりも、髪の1本1本が細くなるのが特徴です。

 

次回は抜け毛とその予防など、対策方法についてまとめていきます。